#香椎台 木もれ日日記

香椎宮の森の木陰で、広い空をながめながら日々の思いを綴ります

あなたの中の「鬼さん」は?

 のっけから鬼さんにまつわるお話です。

 国連には国際法に基づく裁判所として「国際刑事裁判所ICC)」と「国際司法裁判所(ICJ)」があります。日本人の赤根智子判事が加わる国際刑事裁判所は、昨年3月、ウクライナ侵攻をめぐり、プーチン氏に逮捕状を出しました。逮捕容疑は、占領地域のウクライナの子どもたちをロシアに移送したことが“国際法上の戦争犯罪にあたる”というものです。これに対し反発を強めるロシアは、同年5月、赤根判事らICCの判事3人を指名手配する報復措置に出ました。(下記、NHK報道より)

 ロシア政府が戦争犯罪の疑いでプーチン大統領などに逮捕状を出したICC国際刑事裁判所の日本人裁判官を指名手配したとロシアの国営通信社が伝えました。ロシアの国営通信社は27日、ロシア内務省の指名手配リストにICCの赤根智子裁判官が掲載されたと伝えました。
 具体的にどのような容疑で指名手配したのかは明らかになっていませんが、ICCはことし3月、ロシアがウクライナの占領地域から子どもたちをロシア側に移送したことをめぐり、国際法上の戦争犯罪の疑いでプーチン大統領など2人に逮捕状を出しました。これに対しロシアの連邦捜査委員会は、3月、赤根裁判官を含む4人に対して刑事手続きを開始し、これまでに主任検察官らを本人不在のまま起訴したと発表していました。

 そして昨年末の26日、今度は国際司法裁判所(ICJ)が南アフリカの訴えにより、パレスチナガザ地区イスラエルが国際条約違反のジェノサイド(集団殺害)を行っているとした訴訟で、イスラエルにジェノサイド防止のためのあらゆる措置をとることを命じました。軍事作戦の即時停止までは名言していませんが。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、そうした非難は虚偽であるだけでなく、言語道断として拒否しました。

 ーーこれらの二つのことは当事者こそ違いますが、至極まっとうな判断が下されたと思われるものの、被告側は反発し拒否するどころか前者は裁判官を指名手配するとまで言っています。逆恨みもいいところです。問題はそうしたやりとりをする瞬間も多くの人が攻撃され殺されているということ。二つの裁判所はその現実を直視し、直ちにやめなさい、と言っているのです。

 当事者及び背後には米、ロなど大国の思惑、戦略があるともいわれます。さて、日本という国はどうするのでしょうか。無関係とはいえないし、なによりも平和憲法をもつ国の発言の重みは少なくないはずですが…。あっちはだめで、こっちはいい、なんて言う二枚舌(二重基準といいます)の立場は見透かされ、信頼されません。大国に振り回されず、自分の言葉で平和への道を言うことです。

 おりしも2月3日は節分の日。幼稚園や保育園では鬼に扮した先生や大人に、豆を投げて追い払う行事が多いようです。由来はいろいろで、やり方も様々なようですが、「鬼」は仏教の教えからくるようで、「人間の心にある煩悩の象徴」とか。自分の心のなかを反省する機会になればいいですね。大国の(もちろん日本も)指導者にぜひ振り返ってほしいものです。「戦争ってこわいし、いやよねーっ!」