#香椎台 木もれ日日記

香椎宮の森の木陰で、広い空をながめながら日々の思いを綴ります

命の選択は可能ですか?

数か月前から楽しみにしていた長崎旅行。でも、あっという間にその機会が訪れました。数家族での団体旅行ですが、乗り物やコースは思い思いに。宿は寺町通コンドミニアムを予約して、みんなで食材やらドリンクやらを持ち込み、夜は宴会といういつものパターンです。

当日は残念ながら雨模様で、ゆっくり観光とはいきませんでしたが、長崎おくんちの時期にあたり、いちばん賑わう浜町アーケードには傘鉾(かさほこ)とそれを取り囲む人々がありました。急転したり、うねったりと回し技には歓声があがります。なにしろ100キロ以上の鉾を一人で操るというのですから驚きです。

華僑が建てたという崇福寺。”おすわさん”で親しまれている諏訪神社の長い階段。長崎歴史文化博物館寺町通に並ぶ寺の数々。400年商店街などなど。初めて訪れるところ、何度か来たはずのところなのですが、新たな感慨を覚えます。

行きは博多駅からノンストップのハイウエーバスでしたが、帰りは出来たばかりの西九州新幹線で。予定時間よりちょっと時間があいたので、早い便に乗り換えできないかと、緑の窓口に交渉に行ったところ、早得割引のチケットなので変更できません、と冷たい返事。自由席が空いてたら乗せてくれてもいいじゃないか、とブツブツ。

1時間半ほどのポッカリあいた時間。何しようかと相談の結果、平和公園に。長崎駅からバスで15分ほど。夕闇迫って足元の歩道にはLED電球が点々と誘導してくれます。こんな間近に平和祈念像に接したことは今までありませんでした。10メートルほどの男性像。右手は原爆投下してくる上空を指し、左手は水平に伸ばして平和な世界を訴えるものです。足元には平和の泉が静かに満ちていました。

すぐ隣には爆心地公園。原爆投下の地点を示しています。おりしもロシアが”低出力核”なるものを使うと威嚇しています。小さな核兵器、戦術核ともいうそうですが、威力は5~数10キロトン(TNT火薬換算)。広島型原爆は約16キロトンなので、決して低出力とも小さいともいえません。核の応酬に到れば世界は滅びます。その危険が目の前にあるのです。一方では死と狂気の世界が、もう一方では核兵器禁止条約の世界が。どちらを選ぶか、選択の余地はないものでは……?