#香椎台 木もれ日日記

香椎宮の森の木陰で、広い空をながめながら日々の思いを綴ります

足元にはもう秋の気配が

博多の三大祭りといえば春の博多どんたく、夏の博多祇園山笠、そして秋の筥崎宮放生会をさすのだそう。放生会は全国にもみられ、中国由来で「捕らえられた魚や鳥など生き物を野に放し、殺生を戒め、秋の稔りに感謝する」行事といいます。

一般に”ほうじょうえ”と言うようですが、筥崎宮だけ”ほうじょうや”と言います。ちょうど台風が近づいており危ぶまれていましたが、お客さんはなんのその、広い参道沿いにびっしり立ち並ぶ露店の間をたくさんつめかけていました。お化け屋敷も出店していたようで、「台風がきたらお化けがビューって飛んで行っちゃうね」とは、うちのちびちゃんの言葉。

千年以上続く重要な行事だそうで、チャンポンやら新生姜やら売られている品々にもそれなりの歴史があるようです。チャンポンは長崎で有名な麺料理ではなく、吹くと”ちゃんぽん”と音がするビードロ(ガラス)の玩具のことです。

でもどちらかと言えば、7月末の”夏越し祭り”が字面通りに、酷暑を乗り切っていくんだというような趣が個人的には好きです…。なごし・・・

ちょうどこの頃の朝、まだ完全には明けきらない西の空に月が浮かんでいました。残月とも名残の月ともいうそうです。9月の10日が中秋の名月、と聞いてあわてて翌朝の空を見上げたものでしたが、わずか片鱗をみせてくれました。ちなみにこの頃の満月を英語では、Corn Moon (とうもろこし月)とか、Barley Moon(大麦月)と収獲を祝う名づけをしているようです。

なんとなく慌ただしい地上のお祭りと、悠久の空に浮かぶ月の変容。どちらかといえば大自然の移り変わりをお団子とちょっぴりのお酒で味わいたいもの、と思いました。